素敵なはなし

珈琲小話

先日、初めて見たローヤル社の焙煎機。これを基に富士珈琲機械製作所の焙煎機“R-27A”通称ブタ釜は製作されたのです。なぜ日本の焙煎機にダンパーが付いているのとか、なぜこの形なのとか、そういった疑問の答えは、ローヤル社の焙煎機がそうであったからと理由付けされます。名人たちはなぜブタ釜を使うのか、それは名人たちが焙煎を始めた当時、この焙煎機が主流であったために他なりません。焙煎機導入時の日本において開発されたこの焙煎機が日本の焙煎機の基となったのです。しかしながら、他にも名人が選ぶ理由はそれだけではないと私は感じます。焙煎機の顔となっている正面の精密な装飾の美しさ、重厚さや性能だけでない焙煎機の美しさに惹かれ、名機と呼ばれる品格を兼ね備えていたのでしょう。現在の焙煎士においても生涯の友とする方も少なくありません。私も珈琲を学び始めた頃、ブタ釜で上手に焙煎された豆の味わいに魅了されたものです。

さて、私が生涯の友として選んだのは㈲井上製作所のHRN‐15という焙煎機。とても高性能でどのような味わいも作ることができる優れもの。後になって知ったのは、ブタ釜を製作したのは富士珈琲機械製作所の故・寺本さんですが、その方から直接、焙煎について聞いていたのが㈲井上製作所の故・井上社長だったという話。ブタ釜からHRN-15へ乗り換えた私の焙煎機遍歴は見えない糸で導かれていたのかな?なんて。素敵な話でしょう。

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