そもそも、コーヒーとはコーヒーノキから採れる果実(コーヒーチェリー)の種子を焙煎し、飲むものです。コーヒーチェリーは例えるなら、さくらんぼの実と種のような感じでして、“どのようにして種だけにするか”で味が変わります。これを精製方法の違いと呼んでいます。

果実のまま乾燥させた後、脱穀するものがナチュラルで、果肉を水洗いで除去した後、種を乾燥させるものをウォッシュドといったり、地域によってさまざまな精製方法が用いられています。
今回紹介するコーヒーはナチュラル製法ではあるのですが、処理の過程で果実を天然酵母による嫌気性発酵させたものです。
これにより非常に複雑な味わいを生むこととなりました。これは商社と生産者との信頼関係により成し得た試験的方法が好評を得て商品化されたものであり、通常のナチュラルに比べると全く異なった甘みを生み出しています。
この豆の商品名は、フルッタメルカドン(ポルトガル語で果物市場を指します)といい、熱い時と冷めた時の表情に様々なフルーツ(パパイヤ、マンゴー、クランベリー)を感じることができるとのカップ評価がされているスペシャリティコーヒーです。

私がとりわけ特徴的と感じるのは、温度の変化に関わらず感じることのできる“甘味”です。この甘味は飲み終わったカップからでも立ち上る香りとなり、部屋中に蜜のような甘い香りが漂います。ブラジルといえばナッツのような軽めの味わいが特徴ですが、このコーヒーには柿が持つような濃い甘味を備えています。
この豆は、ロットによりアマレロ種、カツアイ種、ムンドノーボ種から選定されることから同じ商品名であっても仕上がりに違いがあります。今回、当店で扱うのは、カツアイ種。
単一銘柄で飲むには、すっきりしたバランス型で脇役な豆でありましたが、天然酵母の力を借りて主役級の味わいとなりました。ぜひご賞味ください。

100g 720円
200g 1,360円(100gあたり680円)
500g 3,300円(100gあたり660円)